本事業では広く不特定からの寄付を募っておりません。
岡田 菜美
京都市内のスタジオにて、絵画作品の制作と発表を連動させて行います。私は「場所」や「記憶」を軸に創作を行っており、本事業では、歴史と文化が折り重なる京都の土地に根ざしたリサーチを通じて、得られた知見や感覚を作品へ反映させることを目的とします。
また、京都での制作・リサーチを基盤としながら、日本各地での展示からの学びや刺激を柔軟に取り入れ、最終的にはそれらの知見を京都での制作および展示に還元していくことを目指しています。
京都でのリサーチは、美術館やギャラリーの訪問に加え、市内を歩きながら日常的な風景や空気感に触れるフィールドワークを実施します。地域文化との接点を深め、展覧会に来場された方々との会話や、必要に応じてアーティストトークを開催し地域と交流をすることで、地域と創作の関係性を育みます。さらに、作品の深化と表現技術の拡張を目指し、京都を拠点としながら、国内各地のアートシーンや表現技法に触れるため、各地の芸術祭や美術館、文化施設の視察を行い、地域に根ざした表現や活動の在り方について理解を深めます。
これらの多面的なリサーチで得た、空間を活かした絵画表現や記憶と風景を結びつける展示手法への理解を活かし、サイトスペシフィックな作品制作に取り組むことで、作品が京都の環境と一体化した没入的な表現や、空間と絵画をつなぐ総合芸術として拡張することを試みます。また、多様な展示事例からの学びを基に、地域住民との協働事例に着目し、京都に根ざした表現や展示プロジェクトの可能性を探りたいと考えます。
【展示会場】
anonymous studio KYOTO
【料金】
入場無料
【リサーチ・制作】
2025年7月~2026年3月
【展示】
2025年8月(第1回)(1週間程度)
11月(第2回)(同上)
2026年3月(第3回)(同上)
ギャラリーでの展示では、制作と発表を連動させ、空間構成を意識した発表・公開展示を通じて、京都市民や国内外からの来場者との対話や多様な視点の共有を目指します。
アトリエでの制作では、同じアトリエを利用する京都に縁のあるアーティストとのコミュニケーションを通じ、京都の特性を探り、考察を深める機会としたいと考えます。
こうして得た知見や経験を、今後の創作や企画展開の基盤とし、京都市の文化芸術の循環や地域の文化芸術の振興に寄与していきたいと考えております。
京都という歴史や文化が重なる土地で制作に取り組むことは、自身の表現を見直す重要な機会になると捉えています。制作や発表を重ねる中で得られる視点をもとに、京都での活動の継続や発表の機会も検討しながら、今後の展開へとつなげていくことを展望しています。